明るい絶望。
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「春が二階から落ちてきた。」
この冒頭の一番最初の言葉、すごく読者を惹きつける。魅力的。
でも「春」と言うのは季節の春ではなくて、人物だ。キャラクターだ。キャストだ。そして主人公の弟。多分、二十八歳。ほんでもってそんで、すげー美青年。・・・あくまでもそれは私の勝手な推測です(笑)。でも「道行く女がみんな春に惹かれる」くらいなら、それだけの美男子と言っても過言ではないわけだ。またまた私の勝手な憶測だけどイメージ的に内博貴!!!(自担馬鹿炸裂。)でも歳は全く違う。ついでに言えば春って、笑うと大きな目の端に皺が拠るらしい。・・・ってすばる?いいなぁすばるでも・・・(ごめんなさい)。
で。イメージや外見や行き過ぎた妄想にも似たキャスティングなんてどうでもいいんだよ。重要なのは春の美しさ。そして美意識の高さ。「性」を嫌い、「ガンジー」を敬愛するその素晴らしさ。
取り敢えずこんなんじゃ何の話か全く解からないと思うので、あらすじをささーっと書きます。
泉水は遺伝子関係の仕事をしている普通のサラリーマン。泉水の弟・春はグラフィティアートを消す仕事をしている超美男子。そして二人の父親は癌で入院中(いい男らしいよ)。因みに母親は数年前に他界。実は春は、泉水の実の弟ではない。・・・異父兄弟。二十八年前のある日、母親が強姦魔に襲われた。強姦魔は突然家に上がりこんできた。その強姦魔はまだ少年で、その上常習犯。結局強姦魔は捕まったけれど勿論その時の法律上、死刑にはならなくて、単なる少年院送り。その後母親は妊娠に気付く。父親は悩んだ末に「生もう」と言う。そして生まれたのが春。(父さんすげえ!!)
そんな複雑な家庭にも関わらず、父親は自分の子でもない春を愛した。母親も同様だった。彼等は本当の家族だった。
そして年月は経て、大人になった兄弟は、多発する市内の連続放火事件と謎のグラフィティアートに興味を湧かせる。勿論二人はそれを追って、色々するわけだ。んでまぁ色々あって、色々が色々重なって(そこはちゃんと読んで欲しいな)、「答え」に達する。私的な意見を述べさせて頂けば、犯人はすぐにわかる。敢えてここには犯人は書かないでおこうと思う。ついでに言えば、途中まで読んだところでこれからの展開は大体把握できる。でも犯人がどうやってそれを犯したのか、がすぐには解からない。と言うか結構その辺複雑。私は頭の切れる読者でも、ミステリオタクでも何でもないからかも知れないけど、犯人は分かるのに、先は読めているのに、どうやってその結果に導かれたのかが、最後まで読まないと解からない。読み終えた後は「なるほど」の一言に尽きる。・・・私の場合は。あくまでも。過去と現在がリンクする「美しい」ミステリー。「未知の感動」、まさにそれ(帯に書いてあった/笑)。
著者・伊坂幸太郎さんが言いたかったのは、春の美しさでもあっただろうけど、兄弟と家族の「美しさ」と信じる事であると私は思う。想像すると浮かんでくる鮮やかな美と、目に見えない彼等が持つ独特の美。私は、それを文章だけで伝えられることってすごいと思う。その状況と場面を自分の脳内だけの想像を越えて文章に造り替え、そして第三者の理解を得て、彼等を魅了する。こんなにすごい事って、これ以上あるのだろうか?感動する文章や、進化し行く小説を、伊坂幸太郎さんは書いた。何故この本が「本屋大賞 五位」で「週刊文春 傑作ミステリーベスト10 第四位」なのかよく解からない。堂々と「大賞」を受賞してもおかしくないと思う。でも「作家別得票数 堂々 第一位」はすごく納得できる。プロの作家の見る目はやはり節穴ではない。でも世の中の人はこれを「第四位」「第五位」だと思ったなら仕方ないのかもしれない。しかし私は思う。ミステリーなのに、美しい。リンクのさせ方と人物の全てを伝える文章力。彼はそれに長けている。私は今この世の中に一番必要なのは「美しさ」だと思う。その一番大切な、必要なものがこの小説にはつまっている。
余談かもしれないけれど、今まで私は「世界の中心で愛を叫ぶ/片山恭一」「恋愛写真/市川拓司」など、「美しい」「綺麗」「感動」と呼ばれ話題になった作品は取り敢えず読んだ。でも私はそれに感動したり、美しいと思ったりはできなかった。その理由は上手く説明できないけれど、多分、薄汚れたこの世界を全く背景に書いていない事やあまりにも現実離れし過ぎている事が挙げられると思う。だからきっと私はそれらの話題作をすごいと思えなかった。そんな、私と同意見の貴方へ。「重力ピエロ」はそんな貴方の為にあるような作品だと私は思う。勿論この作品はミステリーというカテゴリに入る訳だから、上で挙げた二作品とはジャンルも評価の仕方も違う。でも読者の目線で言うならば、上記の二作品よりも「重力ピエロ」の方が上を行っていると思う。・・・あくまで私は、そう思う。ミステリ界に新しい風が吹いたと言ってもいいのではないだろうか。
※あくまでもこれは個人的意見であって、作家本人や作品を愚弄したり批判しているわけではありません。人には好き嫌いとその人だけの感情があるのだと思うから。※
私の陳腐な言葉ではこの美しさを表現できない。と言うか、こんな私の文章でこの作品を語ってしまっては無礼に当たると思う。だから読んで欲しい。読んで感じて欲しい。この美しさを。
この冒頭の一番最初の言葉、すごく読者を惹きつける。魅力的。
でも「春」と言うのは季節の春ではなくて、人物だ。キャラクターだ。キャストだ。そして主人公の弟。多分、二十八歳。ほんでもってそんで、すげー美青年。・・・あくまでもそれは私の勝手な推測です(笑)。でも「道行く女がみんな春に惹かれる」くらいなら、それだけの美男子と言っても過言ではないわけだ。またまた私の勝手な憶測だけどイメージ的に内博貴!!!(自担馬鹿炸裂。)でも歳は全く違う。ついでに言えば春って、笑うと大きな目の端に皺が拠るらしい。・・・ってすばる?いいなぁすばるでも・・・(ごめんなさい)。
で。イメージや外見や行き過ぎた妄想にも似たキャスティングなんてどうでもいいんだよ。重要なのは春の美しさ。そして美意識の高さ。「性」を嫌い、「ガンジー」を敬愛するその素晴らしさ。
取り敢えずこんなんじゃ何の話か全く解からないと思うので、あらすじをささーっと書きます。
泉水は遺伝子関係の仕事をしている普通のサラリーマン。泉水の弟・春はグラフィティアートを消す仕事をしている超美男子。そして二人の父親は癌で入院中(いい男らしいよ)。因みに母親は数年前に他界。実は春は、泉水の実の弟ではない。・・・異父兄弟。二十八年前のある日、母親が強姦魔に襲われた。強姦魔は突然家に上がりこんできた。その強姦魔はまだ少年で、その上常習犯。結局強姦魔は捕まったけれど勿論その時の法律上、死刑にはならなくて、単なる少年院送り。その後母親は妊娠に気付く。父親は悩んだ末に「生もう」と言う。そして生まれたのが春。(父さんすげえ!!)
そんな複雑な家庭にも関わらず、父親は自分の子でもない春を愛した。母親も同様だった。彼等は本当の家族だった。
そして年月は経て、大人になった兄弟は、多発する市内の連続放火事件と謎のグラフィティアートに興味を湧かせる。勿論二人はそれを追って、色々するわけだ。んでまぁ色々あって、色々が色々重なって(そこはちゃんと読んで欲しいな)、「答え」に達する。私的な意見を述べさせて頂けば、犯人はすぐにわかる。敢えてここには犯人は書かないでおこうと思う。ついでに言えば、途中まで読んだところでこれからの展開は大体把握できる。でも犯人がどうやってそれを犯したのか、がすぐには解からない。と言うか結構その辺複雑。私は頭の切れる読者でも、ミステリオタクでも何でもないからかも知れないけど、犯人は分かるのに、先は読めているのに、どうやってその結果に導かれたのかが、最後まで読まないと解からない。読み終えた後は「なるほど」の一言に尽きる。・・・私の場合は。あくまでも。過去と現在がリンクする「美しい」ミステリー。「未知の感動」、まさにそれ(帯に書いてあった/笑)。
著者・伊坂幸太郎さんが言いたかったのは、春の美しさでもあっただろうけど、兄弟と家族の「美しさ」と信じる事であると私は思う。想像すると浮かんでくる鮮やかな美と、目に見えない彼等が持つ独特の美。私は、それを文章だけで伝えられることってすごいと思う。その状況と場面を自分の脳内だけの想像を越えて文章に造り替え、そして第三者の理解を得て、彼等を魅了する。こんなにすごい事って、これ以上あるのだろうか?感動する文章や、進化し行く小説を、伊坂幸太郎さんは書いた。何故この本が「本屋大賞 五位」で「週刊文春 傑作ミステリーベスト10 第四位」なのかよく解からない。堂々と「大賞」を受賞してもおかしくないと思う。でも「作家別得票数 堂々 第一位」はすごく納得できる。プロの作家の見る目はやはり節穴ではない。でも世の中の人はこれを「第四位」「第五位」だと思ったなら仕方ないのかもしれない。しかし私は思う。ミステリーなのに、美しい。リンクのさせ方と人物の全てを伝える文章力。彼はそれに長けている。私は今この世の中に一番必要なのは「美しさ」だと思う。その一番大切な、必要なものがこの小説にはつまっている。
余談かもしれないけれど、今まで私は「世界の中心で愛を叫ぶ/片山恭一」「恋愛写真/市川拓司」など、「美しい」「綺麗」「感動」と呼ばれ話題になった作品は取り敢えず読んだ。でも私はそれに感動したり、美しいと思ったりはできなかった。その理由は上手く説明できないけれど、多分、薄汚れたこの世界を全く背景に書いていない事やあまりにも現実離れし過ぎている事が挙げられると思う。だからきっと私はそれらの話題作をすごいと思えなかった。そんな、私と同意見の貴方へ。「重力ピエロ」はそんな貴方の為にあるような作品だと私は思う。勿論この作品はミステリーというカテゴリに入る訳だから、上で挙げた二作品とはジャンルも評価の仕方も違う。でも読者の目線で言うならば、上記の二作品よりも「重力ピエロ」の方が上を行っていると思う。・・・あくまで私は、そう思う。ミステリ界に新しい風が吹いたと言ってもいいのではないだろうか。
※あくまでもこれは個人的意見であって、作家本人や作品を愚弄したり批判しているわけではありません。人には好き嫌いとその人だけの感情があるのだと思うから。※
私の陳腐な言葉ではこの美しさを表現できない。と言うか、こんな私の文章でこの作品を語ってしまっては無礼に当たると思う。だから読んで欲しい。読んで感じて欲しい。この美しさを。
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