忍者ブログ
明るい絶望。



[322]  [321]  [320]  [319]  [318]  [317]  [314]  [313]  [312]  [310]  [308
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

こんな関係、貴方ならどうしますか。

───お兄ちゃん───元気ないな・・・。
私何かしたのかな。
何か気に障ること言ったのかな。

東京へ戻る私を見送りに来てくれたお兄ちゃんは、不機嫌そうで不貞腐れた顔つきだった。
私は酷く不安になった。
お兄ちゃんは、複雑な人だから。
お兄ちゃんは、私にとってかけがえのない存在だから。

私達のずっと前を歩くお兄ちゃんの背中を見詰めながら、そんな事を考えていると、お兄ちゃんの新妻に言われた。

「彼、淋しいんだよ。ユイちゃんが行っちゃうから。」

───そうか。
淋しいんだ・・・。

それなら、良かった・・・。


笑顔で手を振って、別れの電車へと乗り込んだ。
お兄ちゃんも、その奥さんも、私に手を振りながら見送ってくれた。







━━━━━━━━

どーですか。
この話、実話です。
私の身に起こった事ではありませんが(私お兄ちゃんいないし)。
でも、この話、切なくないですか。
そー思いませんか。
「お兄ちゃん」は、「私」にとってかけがえのない、まさに恋人のような存在。
小さい頃からずっと、どこに行くのも何をするのも一緒で、家の中でだって、どちらかの部屋で二人だった。
ずっと一緒だった「お兄ちゃん」。
だけど「お兄ちゃん」も「私」も大人になり、ある日「お兄ちゃん」が家を出ます。
その数年後、「私」は「お兄ちゃん」に久し振りに会ったわけですが、その時既に、お兄ちゃんには仕事もあり結婚もし、来夏には子供も生まれると言うのです。
「私」は「お兄ちゃん依存症」というある種の病気だった。
だけど、「お兄ちゃん」が家を出た事により、互いの自立へと繋がった。
結果として、それはとても良いことだった。
しかし、見てください。
「私」が不貞腐れた「お兄ちゃん」の顔を見て自分が悪いのだろうかと考える横で、新妻は「淋しいんだよ」と言います。
20年近くずっと一緒にいた「私」よりも、新妻の方が「お兄ちゃん」を理解しているというのか。
「私」はきっと、自分よりも「お兄ちゃん」を理解する人間が現れて不安に思ったはずです。
「私」は、「お兄ちゃん」が家を出た日から淋しかった。
「お兄ちゃん」だって淋しかったに違いない。
しかし、その表情を「淋しさ」と理解した新妻に、「私」は敵意を抱いたのではなかろうか。
私はそう、思いました。

人って、難しいけどね。

でも、私の視点から言わせて貰うと、「お兄ちゃん」は、もしも「私」が自分の近くにいるとしたら、自分の奥さんよりも「私」を優先し大切にすると思う。
「私」というのは、「お兄ちゃん」にとって、やはりかけがえのない人だから。

どうでしょう。
こんな兄妹。
素敵、というか複雑、というか。
でもアリでしょ。
PR
この記事にコメントする
Name
Title
Color
Adress
URL
Comment
Pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フリーエリア
最新コメント
(03/21)
(01/21)
(01/20)
最新記事
(03/16)
(03/15)
(03/08)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
貴紗
性別:
女性
職業:
学生
趣味:
人間観察/音楽鑑賞/読書
自己紹介:
御機嫌麗しゅう。野ばらチャン狂愛&エルレ信者です。おもしろいもの大好き!No Music No Life!!
バーコード
ブログ内検索


<< mmmmm HOME 帰ってきた <<
忍者ブログ   [PR]